更年期の夫婦

 更年期をむかえると夫婦関係の愛はさめるか変わったかたちになるらしい。夫は単語で奥様を操作しようとたくらむ。
「めし」(名詞)
「ふろ」(名詞)
「おちゃ」(名詞)
「ネクタイ」(名詞)
「かばん」(名詞)
「いってくる」(動詞)
 奥様はかなり閉口するに違いない。
「結婚する前はあんな素敵だったのに、どうして今はこんなに無愛想になったのかしら。私のせい?それとも・・・・・・」
奥様は鏡を見つめて吐息を吐く。
奥様同士の井戸端会議では夫の様子が語られる
「さいきんどう」
「ぜんぜんまったく役にたたない、マグロよマグロ」
「私のところはここのところまったくだわ」
「下着かえてみたら、下着をかえるだけで気分がかわるわよ、私エステにかよいはじめたの」
「そうかなぁ。私はあまりセクシー系は苦手でナチュラルな下着のほうが好みだわ」
「私はもう仕事のかえりはしご酒をして部下に奢るから家計が四苦八苦よ、しかもそのせいで血糖値が以上に高くなってお医者さんに『死の四重奏をかなでています、食生活をかえましょう』っていわれちゃったのよ」
「まさにメタボリック・シンドロームね」
 子お様な光景が、夫のいない自宅かあるいはどこかのレストランで昼ごはんをたべながら語られている。という神話があるがこの神話が現実の問題ではなく私の<妄想>であることをアビダルマ仏教とアテーナイの神社に祈っている。