ドイツ語 の隔靴掻痒(靴のなかがかゆいが靴を脱ぐのがめんどくさいのでなかなか掻くことができないもどかしさ)

 私は<自己および他者も認める>語学アレルギーである。『ドイツ語四週間』を主なテキストにして開学までの期間中に武者修行している。リリパットからは
「一番きらいなドイツ語の下準備をしろ、カリキュラムをくんで俺にメールすべし」と指令がくだる。
私は以下の返事をおくった。

①『ドイツ語四週間』大学書林
のわからない単語を『研究社 独和中辞典』で引く。

②映画『菩提樹』の劇中で歌われている歌を暗記してそらんじられるレヴェルまで引き上げる。

③『純粋理性批判』の原書を原祐さんの名訳とてらしあわせながらノートに書き写す。

リリパットにメールで即座に返信したところ。
「②と③はやるな③はどう考えてもお前のレヴェルにあっていない、ナンカ、発音してみろ。お前の会話のながれを聞いていると基礎的な教養科目過程は十分であるが、発音は下手糞だからするな。ヘーゲルやカントなどの哲学の原書は関係代名詞が異常に発達しているので訳読するうえで例外はない。おれが大学院にいたときは1時間の授業に予習が10時間かかったお前のいる世界もいっしょだがんばれ」(かなり脚色をしている)とソクラテスの助言のように<徳>をみちびきだされた。

音源がないと不安で仕方が無い。書店でさがしてみたところ、『CDで学ぶドイツ語入門』がいい雰囲気をはなっている。語学コーナーはもうどれを選んで善いのかわかりかねる。リリパットからもらった『まるごと覚えようNHKスタンダード40ドイツ語』は
イッヒ・ゲルン・アイキドウ(私は合気道をしています)など楽しげな内容がもりこまれている。
そして、京都の国際性豊かな土地を生かして歩きながらリスニングをしている。
ドイツ語を母国語とする人が後ろをあるいている。私はよく効いて内容を聞き取ろうとするのだが、
アハ・ゾー(そうなんですね)
以外まったく会話がわからない。このことに私は危機感をもっている。

同時進行で『新独英比較文法』の書き込みは関係代名詞までおわらせることができた。この参考書は非常に親切である。英語の語源のなりたちから、ドイツ語世界の時代背景まで詳細に書き込まれている。ところどころゲーテやルター、新約聖書の言葉の抜書きもあり、教養を深めることができる。