多元的宇宙

 最近の下宿の状態はまるで宇宙である。どこになにがあるのか、どこから何の本がくずれおちてくるのか私は知ることができない。寝床をこしらえるために本を移動させるのであるが、なかなか置くスペースがわからないのである。恩師の薦めてくれた本を古本屋でゲットして書き込みをしながら関連付けて読んでいるのであるが、こまったことにそのためにうっぱらうことができないのである。
 母は「要らない本とかない?」とたずねるが私は「まったくない」といつもこたえている。本棚はバレエと基礎運動学関係の本と哲学思想関連の本、小説家になりたいと宣言しているわりに小説が少ない。
 最近のマイブームはバレエとクラシック・ミュージックの映像を見ながら哲学書に書き込みをするという阿呆な行為である。倫理学の本もひもといているが、一向に同年代のお友達ができない。心理学の本を紐解くと乙女のことが<気>になる。というよりも乙女心がわかりすぎてこまってしまう。
 もうすぐ、「クレイジー、フォー、ユー」が開幕するが、私がクレイジーだ。