「鴨川で練習しないように」

 バイオリンの先生による音符の特訓が始まった。楽譜が読めないということは私のタブーである。
「楽譜みてないでしょ」
ばれたか、やはり<勘>で弾くとまずい。
 先生によると、楽譜を見たその刹那、腕がもうキマッテいなくてはならない。考えることよりも感覚が先行するの、と教えをうけた。
 正に音楽における受胎告知。このことはバレエにおける共通項らしい、
「バレエダンサー/バレリーナは音楽を聴くことによって身体をきめるんや」ハイ・ブリッジ先生の教えが想起された。
 そして、パウロの激
「鴨川で練習しないように」
そうなのである。バイオリンがだめになる私がだめになる前に・・・・・・。