動きの解剖学から考察する根源的主体性の生命 『教育哲学ノート』より

 私はヘーゲルの『精神の現象学』(System der Wissenschaft)の頭蓋論をポイントに動感身体知(金子明友の概念)をひもとく解剖学を研究していきたい。解剖学に関しては三木成夫氏のゲーテのモルフォルギー思想を超越した生命の営みを踏まえた<生き生きとした>解剖学が私の心をひきつけてやまない。そのためには、イポリットの『ヘーゲル精神現象学の生成と構造』およびオイゲンフィンクの『ヘーゲル現象学的解釈』をひもとかなくてはなるまい。そして、『有と時』(Sein und Zeit)を身体論と関連づけて西谷啓治の『根源的主体性の哲学』を教育哲学として昇華していきたい。ヘーゲル哲学を現象学によって<ときほぐす>ことは医学の「場所」において大いなる光明をもたらすと思われる。
 美学に関しては、フッサール現象学の『イデーン』から<意識の流れ>やヘーゲル哲学の『美学』竹内敏雄訳および『美学講義』長谷川宏訳から考察していきたいが、西洋と東洋の考え方は違うので隔靴掻痒の感は否めない。西田哲学詳しくは西田幾多郎全集第三巻「芸術と道徳」および世阿弥の『風姿花伝』『花伝書』の精密な読解によって日本古来から伝承されてきた日本の美意識との比較考察もおこないたいと思う。
 器械体操の<動きかた>から<生き生きとした>+動感身体知(金子明友の概念)を導き出せたらと考えている。しかし、現状の私のメランコリー親和型躁うつ病を考慮すると学業とのかねあいと練習時間のタイム・マネジメントはかなり困難な雰囲気が予想される。